今から約20年数前、私は某新築分譲住宅の営業現場にいました。来る日も来る日も、自ら輪転機で刷った資料を一軒一軒郵便受けに投函して歩き、朝早くから駅頭でチラシ入りティッシュを配り、夜遅くに電話をかけてはお客様に怒られていました。土日はもちろんですが、契約がでなければ週中の休みもなくなり、夜の10時前に帰宅できることはほとんどありませんでした。契約を締結し、喜んでくださるお客様の笑顔が唯一の救いでした。完売しなくてはいけない以上、このような営業手法を否定するつもりは全くないのですが、当時、家で子どもがひとりで待っている私にとって、それは非常にせつない思いでした。
なにか他に、もっと違う方法で、お客様とよいリレーション、コミュニケーションを築けないのだろうか。お客様にも喜んでもらえ、営業の現場も効率的に動け、契約もあがる方法はないのか・・・そんな夢のようなことをずっと考え、模索していました。
世の中が2000年問題やミレニアムイベントにわきかえるころ、私はインターネットに出会い、その某新築分譲住宅でインターネット営業部を立ち上げるリーダーとなりました。
その後、その会社を退社し、2005年に当社を設立して現在に至る今も“集客媒体としてのネット、営業手法としてのネット”というものを一貫して追い求めてまいりました。
住宅マーケットの主ターゲットは、いわゆるポスト団塊ジュニアと呼ばれる層になっています。しかし、このコロナ禍・ポストコロナを見据え、彼らを初めシニア層に至るまでの住まいに対す価値観やニーズは多様化し始めました。携帯やネットを自由に扱い、情報の取捨選択をとても安易に行うことができる現在、個人情報に敏感で用心深いユーザーや、新聞を定期購読していないユーザーも急増し、『従来から不動産の販売現場で行われてきた新聞の折り込みチラシや個別訪問、電話営業などの手法が通用しなくなった。そうかといって、インターネットで資料請求してきたユーザーは動きが見えずい。』と感じていらっしゃる現場のご担当者も多いことでしょう。
インターネットは魔法ではありませんから、ホームページを作りさえすれば、すべてがうまくいくというものではありません。けれども、私は、インターネットによるある一定の情報発信とその後のさまざまなデバイスやネット手法によるコミュニケーションを戦略的に用いれば、確実に結果を出していけると考えています。
特に昨今のリモート営業は、システムの選択やセキュリティの構築もさることながら、ユーザーの目線に立ってどれだけの準備ができるか、『準備で勝敗の8割が決まる!』と言っても過言ではないでしょう。
さまざまなデバイスを使い、ネットによるリレーション、コミュニケーションを最適なものにすることによって、エンドユーザーにも喜んでいただき、そして営業現場にもより契約をあげていただくため、少しでもお役にたてればと願っております。
株式会社 AZZ HOUSE
代表取締役 片岡 婦美江